平成20年度開催の展示
企画展
吉村深雪コレクション 日本と世界の人形
平成20年12月20日~平成21年4月19日
前期:日本の人形 平成20年12月20日~平成21年2月22日
後期:世界の人形 平成21年 2月28日~平成21年4月19日
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![吉村深雪コレクション](../images/exhibit/pastplan2008_1_2.jpg)
このたびは、那須野が原博物館企画展として、「吉村深雪コレクション 日本と世界の人形」を開催いたしました。吉村深雪氏(故人)が長年にわたって収集してきましたコレクションの中から、日本と世界の人形約600点を前期と後期に分けて展示いたしました。
前期では、日本の近世からくり人形をはじめとして、御所人形・市松人形・文楽人形などを展示しました。その中でも《くぐつ師人形》は等身大の人形で圧巻でした。併せて地方の土人形や衣装人形・張子人形・陶磁器人形・木彫人形を紹介しました。
後期では、日本も含めた世界各国の素朴な人形を地域ごとに展示しました。人形の持つ信仰的な要素や子どもたちの遊具として、また観賞用としての人形など、人形のバリエーションや人形の魅力をご堪能いただけました。
多くの方々にご来館いただき、楽しんでいただけたことと思います。
1月11日(日)・3月15日(日) 午後2時~
博物館企画展示室
特別展
高久靄厓-関東南画・山水画の正統-
平成20年10月18日(土)~12月14日(日)
文晁門四哲の一人高久靄厓の回顧展
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このたびは、那須野が原博物館特別展として「高久靄厓-関東南画・山水画の正統-」を前期(10/18~11/16)と後期(11/19~12/14)の2部構成で開催しました。高久靄厓の出身地那須塩原市での開催、靄厓展としては栃木県立美術館での開催以来30数年ぶりと大変意義深い回顧展でした。
高久靄厓(1796~1843)は、杉渡土(那須塩原市越堀)出身の画家で、関東南画の巨匠谷文晁に入門、渡辺崋山・立原杏所・椿椿山とともに文晁門四哲に数えられ、山水画を得意としました。入門前から池大雅に私淑し、その後中国の南宋画(山水画)を熱心に研究しましたが、48歳でこの世を去りました。
前期は、20~30歳代の作品を展示、靄厓が心酔した池大雅や南宋画の影響が見られます。自由闊達・実直といった多彩な作品が特徴となっています。後期は、40歳代の作品を展示、京・大坂で研鑚を積んだことにより作品に円熟味がでてきます。前期・後期にわたって、靄厓作品の真髄・山水画の魅力を十分ご堪能いただけたことと思います。
改めて、靄厓作品の奥深さを感じるとともに、掛軸を美術作品として純粋に鑑賞するといった姿勢の大切さを痛感させられるそんな回顧展でした。何回も展示を見に来られたお客様や長時間にわたりじっくりと鑑賞されていたお客様がいたのが印象的でした。
「高久靄厓の芸術世界」
上野 憲示氏(文星芸術大学学長)
11月8日(土)午後1時30分から 博物館研修室
企画展
堤勝雄・写真紀行 日本の祭り
平成20年9月6日(土)~10月13日(月・祝)
日本各地の祭りを撮影した堤勝雄の写真展
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このたびは、那須野が原博物館企画展として「堤勝雄・写真紀行 日本の祭り」を開催、土門拳を師にもつ写真家堤勝雄氏が、撮影した全国の祭りの写真52点を展示しました。
堤勝雄氏は、北は北海道から南は与那国まで、地域に伝わる祭りを撮影し、その写真からは祭り全体の雰囲気が伝わり、祭りの本質や日本人にとっての祭りの意義を考えさせらました。さらに、東大寺二月堂の修二会の写真は、迫力があり・神秘的な雰囲気が漂う大変印象的なものでした。
また、記念講演会は土門拳が話題に上がるということもあり、また堤さんの熱のこもった話に多くの人が引き込まれていました。
今忘れ去られようとしている日本人の心情を思い出させてくれるそんな写真展でした。わざわざ東京からお出でいただいたお客さまもあり、数回にわたり堤さんも会場におこしいただきました。
「ファインダーの中の祭り人たち-師・土門拳から学んだこと-」
堤 勝雄氏(写真家)
9月20日(土)午後1時30分から 博物館研修室
企画展
虫は世界の宝物-輝き・彩り・魅せるムシたち-
平成20年6月21日(土)~8月24日(日)
美しく輝く虫たちを紹介する昆虫展
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このたびは、那須野が原博物館企画展として「虫は世界の宝物-輝き・彩り・魅せるムシたち-」を開催いたしました。当館で収蔵している昆虫標本や生きた昆虫など多数紹介いたしました。
トリバネアゲハを始めとして美しいチョウ類やタマムシなど金属細工を思わせるコウチュウ類、多様な形態で人々を魅了したカブトムシ・クワガタムシ類など、世界各地の「自然の芸術」ともいる昆虫をたくさん見ることができました。生きた虫の入っている水槽を熱心にのぞく子供たちの姿が印象的でした。
また、昆虫の発見にまつわるエピソードや人との関わり、形態のおもしろさなど自然科学の楽しさも十分堪能できたのではないでしょうか。
なすこんチャレンジ2008もあわせて開催しました。メニューは、昆虫クイズ・チョウのパズル・チョウのおりがみ・忍者さがし・虫のイラストで、多くの子供たちが熱心に取り組んでいました。忍者さがしは思ったより難しく、銀色の折り紙で折るチョウは不思議な輝きを放ち、いろいろな虫のイラストがエントランスの壁を飾りました。
「虫とのいろいろな出会い」
樋口 弘道氏(元栃木県立博物館副館長)
7月26日(土)午後1時30分から 博物館研修室
県立博物館移動展
動物骨格の世界-ホネが支える動物のくらし-
平成20年4月26日(土)~6月15日(日)
動物の骨格を紹介する企画展
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このたびは、栃木県立博物館移動展として「動物骨格の世界-ホネが支える動物のくらし-」を開催いたしました。栃木県立博物館で収蔵している骨格標本や剥製など約60点を紹介いたしました。
骨格標本と剥製を並べて展示することにより、動物によって異なる骨格やそれぞれの動物のホネの特徴がよく理解できました。さらに、黒い布をバックに白い骨を展示、観覧された方はホネが見やすかったのではなでしょうか。
改めて”動物の進化の不思議”、”なぜこのような骨になったのか”、”将来我々人間の骨格はどう変わっていくのだろうか”といったことを考えさせられました。また、ちょっと遠い存在であった骨が大変身近なものであったということを感じさせられた展示でもありました。
骨が透けて見える魚トランスルーセント・グラスキャットも展示、骨のパズルや本物の動物の骨を触れるコーナーを設置、お子さんも楽しく見学していたのが印象的でした。
「ホネを見ればくらしがわかる」
林 光武氏(栃木県立博物館主任研究員)
5月17日(土)午後1時30分から 博物館研修室